ソフトウエア関連発明に関する調査研究報告書、特許庁HPで公表
当所の弁理士川上桂子が「米国」の章を部分執筆した報告書「コンピュータ・ソフトウエア関連およびビジネス分野等における保護の在り方に関する調査研究報告書」が特許庁ホームページで公表されました。
報告書本文「はじめに」より抜粋
特許庁委託の平成21 年度産業財産権制度各国比較調査研究等事業は、産業財産権制度を経済・社会の変化、特に国際化の急速な進展に適応させるために、一歩先を予測して制度に影響を与えると考えられる諸問題を採り上げ、これに関する世界の主要各国の現状と動向を調査し、併せて、現在の世界の制度に対する我が国ユーザの意向を把握した上で、 望ましい制度を実現させるための施策作りの資料とすることを目的とする。本報告書は、本年度の課題の一つであるの結果をまとめたものである。
日米欧におけるコンピュータ・ソフトウエア関連発明及びビジネスモデル関連発明(以下、「CS 関連発明、BM 関連発明」とする)に関する特許要件、審査基準およびその運用は1990 年代後半から2000 年代初期に制定され現在に至っている。しかしながら近年、EPOにおいてはCS関連発明に関する質問が欧州特許庁長官より拡大審判部に対して付託され、他方、米国のCAFC におけるBilski 事件のように、BM 関連発明についての非常に広い保護範囲を見直すような判決が出る(現在、最高裁に上告中)等、CS 関連発明及びBM関連発明に関する審査基準やその運用についての見直しにつながるような動きが認められている。
また、欧米以外でも、昨今の急速な経済発展によってその影響力が強くなっている中国、インドなどにおいてもCS 関連発明及びBM関連発明の特許保護について今後さらに重要になるであろうことを踏まえ、当該国における保護の現状を調査する必要がある。
本報告書では、まずI において、調査対象国・地域である10 の国と地域(日本、米国、欧州、英国、ドイツ、中国、韓国、インド、ロシア及びカナダ)におけるCS 関連発明およびBM 関連発明に対する特許保護制度についてまとめた。また、特に当該分野における保護に関して長い歴史を有している日本、米国、欧州、英国及びドイツについては、上記でまとめた保護制度がどのように運用されているかについて、関連する重要判決及び審決等を使用してその実体についてもまとめた。
II においては、現在のCS 関連発明およびBM 関連発明に対する特許保護制度(特に米国および欧州)に関する欧米のユーザのニーズを把握するために、2008 年10 月にEPO長官によって付託された拡大審判部へのReferral(G3/08)、並びに、米国の最高裁判所に上告中のBilski 事件に関するCAFC 及び最高裁に対するAmicus Brief を分析し、まとめた。加えて、我が国ユーザのニーズを把握するために行ったヒアリング調査の結果についても併せてまとめた。



